大道芸ワールドカップ in 静岡 2019 その1

11月1日(金)~11月4日(月・祝)まで、28回目の「大道芸ワールドカップ in 静岡 2019」が開催されました。
今回は世界17カ国から86組が出場。今年は天気に恵まれ祝日を含んだせいか、総観客動員数は昨年を29万人上回る172万人だったそうです。
さて今回の審査結果ですが、めずらしく私の希望がだいぶ叶いました。市民文化会館で行われるプレミアムステージは写真や動画撮影禁止なので、屋外で片手間に撮った写真を掲載しながら紹介していきたいと思います。

ワールドカップチャンピオン
クァトロ ストンプ Quatuor Stomp (カナダ/フランス/アメリカ)
優勝ではないかと予想していて見事に的中した陽気でパワフルな4人の男性のアクロバットショー。小柄で身軽な人、筋肉隆々の力持ち、ジャグリングが得意な人などそれぞれの役目があり、最近ラグビーワールドカップを観ていたせいで「見事に作り上げられた一つのチーム」という印象でした。最初その風貌とふざけっぷりから、コメディアンタイプの皆さんかと思っていたら、驚いて声が出てしまう凄技を次々と披露。初来日で見事な日本語を駆使していたのも好感度抜群。初日の1回目を観た時に「日本に来ることができてSUPER HAPPYです!」と大はしゃぎだったので、チャンピオン受賞はさぞかしうれしいことでしょう。来年も楽しみです。
シルバー賞
アダム&ベンジャミン Adam & Benjamin (ハンガリー)
昨年も初出場でシルバー賞を受賞したチャイニーズポールを使ったアクロバット。観客とのコミュニケーションがなかったので今年は好感度を上げるために何か取り入れたかなと思ったのですが、私が見たステージではなく去年と同じ内容だったように感じました。若い二人の芸術的な演技が今年も評価されたようです。

ブロンズ賞
チャーリー ケーパー Charlie Caper (スウェーデン)
マジック好きの私が今年一番私好みだったアーティスト。マジックはアクロバットなどと比べると地味なので入賞しにくいため、ブロンズ賞入賞は大変うれしいです。自作のロボットをアシスタントにしたり、同じ現象が何度も何度も起こって毎回驚かされたり、観客は不思議の連続に翻弄されっぱなし。細かい点まで作りこまれており、マジックが好きな人が見ても十二分に楽しめるレベルのとても高いショーでした。来年も楽しみです。

演技終了後に写真とサインをもらったのですが、例のごとく私がネットで見つけて勝手に印刷したポストカードを用意していったら喜んでくださって、実はこの写真は友人と道を歩いていて何気なく撮ったもので・・・など写真に関する裏情報を話してくれました。とても気さくで親切な方で完全にファンになりました。来年も楽しみです。
今年もワールドカップ審査日に静岡市民文化会館の「プレミアムステージ」で、ワールドカップ部門の出場者全組を観賞。ただ、司会がいつもの素敵な女性の方ではなくてとても残念。観客との楽しい質問のやり取りや今回の出場者の今までとは違う注目点の説明、また盛り上がるプレゼントコーナーもありませんでした。ボランティアの方とはいえ、できればせめてこのイベントの知識と愛情にあふれた方にやっていただきたいなと思いました。

この後は、私が個人的に気に入った方々を紹介しようと思います。

デュオ ユニティ Duo Unity (カナダ・ドイツ)
シルホイール Cyr wheelという巨大なリングを使ったアクロバティックな演技。美しい男女が繰り広げるラブストーリーで、女性がリングを操っているのを見つめる男性の驚くほど優しく温かい眼差しや、ふたりの動作の一つひとつに愛情があふれていて、素晴らしいショーでした。最後に2人でリングに乗り、ものすごい速さで長い時間回転し観客がどよめきます。しかも動きながら次々とふたりがポジションを変えていき、時には男性がリングから両手を放し女性にしがみついた状態だったりするのです。ぜひ入賞して来年も観賞したかったのに残念です。

ジェシカ アルパン Jessica Arpin (スイス)
頭のスイッチを切り替えると、その都度色々な言語で話しはじめ最後には日本語になります。後で知ったのですが、なんとこの方は7か国語が話せるそうです。「結婚式の準備ができました!私はもうすぐ静岡市民になります!」と張り切るハッピーな彼女ですが、お婿さんがまだ用意できていないことに気がつき愕然とします。かくして観客から選ばれた二人の男性が彼女を奪うためのバトルを(無理矢理)始めるのです。明るく可愛らしい彼女の繰り出す試練の数々に笑いの絶えないステージで、最後には無事ハッピーエンドに!(?)

ブランコ BLANKO (ドイツ)
ストリートに現れる神出鬼没のハプニング系アーティスト。街中の公園で人だかりを見つけのぞいたら、彼が身動きひとつせずに座っていて、周りで子供たちがカラフルな絵具を彼の体中に塗りたくっていました。子どもは遠慮がありませんから、普段塗り絵をしているのと同じように淡々と頭や目の周りに色をつけていて、この状況は面白かったけれど正直ちょっと怖かったです。世の中には本当に様々なパフォーマンスがありますね。

次回も、お気に入りのアーティストを紹介します。「大道芸ワールドカップ in 静岡 2019 その2」へ続く。
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