Star Wars: The Rise Of Skywalker
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
ついにスターウォーズが完結。1977年に公開された「スターウォーズ」を家族で観に行ってから、なんと42年も経過しました。2作目「帝国の逆襲」公開日は映画館が家から徒歩5分の場所にあったこともあり、中学生だった私は学校から帰って友人と夕方映画館へ。子供二人で来たため窓口の女性に「ご両親は一緒じゃないの?」と入場拒否されそうになりましたが、支配人らしき男性の「入れてあげて」の一言で鑑賞できたことをはっきり覚えており、今でも感謝しています。
1983年に3作目が公開された頃だったか、スターウォーズシリーズは全部で9作予定しているとジョージルーカス監督が言っていた記事を読みました。そしてこれまで公開された3作は時代的には中間に位置しているという面白さ。まだまだこのSFを楽しめると知り胸を躍らせました。
そして次の「エピソード1/ファントムメナス」が公開されたのは、なんと16年後の1999年。この3作の完成には何年かかるのだろう?と心配していましたが、なかなか早いペースで2005年までに3作が公開されました。ただルーカスは2005年の「シスの復讐」を最後に以降の作品は製作しないと発表しました。
一旦、スターウォーズは終了したと思いましたが、10年後の2015年に「フォースの覚醒」「最後のジェダイ」そして「スカイウォーカーの夜明け」と本来想定されていた全9部作が完結。ただ、もちろんルーカスは監督しておらず、彼が最初に構想していた内容ではない事は明らかのようでした。
ジョージルーカスが制作現場から退いたのは、2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーがルーカスフィルムを買収してスター・ウォーズシリーズの著作権を取得したなどの事情もありますが、ファンや評論家の「こんなのスターウォーズじゃない」まで言う批判の声や、「自分の意見の前に誰かが決めてしまい、やりたいことができない」という現実に耐えられないという話も聞きました。以前も書きましたが、「ハリーポッター」を書いたJ・K・ローリング氏が読者からの「そのような話ではなく、こんな物語を書いてください」という投書に、「これは私の世界なの、誰にも指図されないわ」というような返答をしていたのを聞いた時、ジョージルーカスのことを思い出しました。
一般の人が気軽に自由にネットで意見を言える時代。熱狂的なファンによる賛否両論は避けられない中、その声をどれだけ取り入れるかは本当に難しい問題ですよね。最近は昔に比べて一般人なのに「観客」サイドではなく、脚本が気に入らないとか描き方が足りないとか「製作者」サイドに立った意見が多いように感じます。自分の期待、希望通りにならないから「駄作」だと言い切り捨てる人もいます。
私はほとんどの映画を実話を見るように鑑賞しています。だから感情がこもってしまい映画館で心から笑ったり恥ずかしげもなく泣いたりします。もちろんその作品が好きか嫌いかの感想は持ちますが、自分が気に入るようにこうなった方がよかったとか、間違っても出来上がった作品を直してほしいとは思いません。だって目の前で起こった出来事なので受け入れるしかありませんから、何を言っても変わりません。攻撃しても仕方ありません。
もしかしたら、映画をただの娯楽と思うか、または自らが体験する自分の人生の一部と思うかの違いなのかもしれません。生きていく中で気に入らない事があったら、すぐさま否定し公共の場で不満をぶちまけますか?
すでに「スターウォーズ」のスピンオフ作品がいくつか制作されていますが、何やら新シリーズの噂も聞こえてきます。ジョージルーカスのイマジネーションから離れ、まさに宇宙のように無限に広がって行きますが、とりあえず私の中の宇宙戦争は一区切り。子供の頃に夢見た「9部作すべての作品」を映画館で鑑賞できる時代に生まれたことを本当に感謝しています。May the Force be with you.